りんごの事情

森りんごが送るエッセイの溜まり場

今日、「期待しない」をやめる

子どものころに、大人に期待することをやめた人は、いつしか自分以外のすべての人に期待することをやめてしまいがちです。

その人に向ける期待を少しでも持っているから、不満が出たり、むやみに傷ついたりするんだろうと思いながら過ごしてきているかもしれません。

わずかな期待すらも持たなければ、突然小さな1が足されただけでも、大きな幸福感に包まれることを知っているからです。そっちの方が、傷つくよりもずっといい。そう思っているかもしれません。

 

でも、誰に対してもほんの少しの期待も持たずに生きていくって、正直つらくて寂しくてしんどいです。誰にも期待しないというスタンスを守っていると、いつしか自分自身が誰からも期待されていないんじゃないかと思えてきます。

少しの期待もされない自分に、存在する価値なんてあるのかと思い始めます。

それをさらに突き詰めて考えるのは、考え方によっては本当に危ない。
自分が病気になってしまいます。
世の中は「深く考えよう」なんて、考えることばかり言ってきますが、考えなくてもいいことも、ちゃんとあるんです。

 

世の中には、すぐに「助けて」「困った」と言える人がいて、「いいなあ、私にはできないなあ」と思ってしまいますが、それってあなたにも、ちゃんとできることだと思うんです。

人に頼るって、ものすごく怖いし、エネルギーを消耗しがちですけど、ちゃんとあなたの話を聞いてくれる人はいます。対価を求めずにあなたに力を貸してくれる人っています。過去に、ことごとく期待を裏切られてたとしても、また同じことが繰り返されると決まったわけではありません。

 

ずっと何年も「期待しない」をやってるなら、そろそろやめてみませんか。

まずは今日、ちっさなことを誰かに頼んでみてください。
あなたが頼れる人は、案外、すぐ近くにいるかもしれません。